漫画列伝6 ドラえもん-ケンちゃんの冒険-

今回は、ドラえもんの絵本漫画である「ケンちゃんの冒険」を紹介。

 

◆あらすじ

のび太のクラスに転校してきた車椅子の少年・ケン一ことケンちゃん

ケンちゃんの趣味は大好きな蝶の標本をコレクションすること。しかし、蝶は全て店で買ったもので、自分の手で蝶を採ったことは一度もないという。

のび太は蝶をこの手で採ってみたい、というケンちゃんの願いを叶えるため、いつもの仲間とケンちゃんを連れ、タイムマシンに乗って3000年前の新生代へと飛び立つ。

そこには、目もくらむほど美しくいたくさんの蝶がいた。

しかし、羽で縦横無尽に飛び交う蝶を捕まえるには、自分の足で立って彼らを追いかける必要があり・・・

 

 ◆特徴タグ

・福祉教育用資料

・ふれあい

・自己成長

 

 ◆感想と評価

1981年の国際障害者年記念のキャンペーンとして制作された絵本であり、点字の打点、「凸印刷」によるイラスト表現などの工夫が凝らされている。

また、絵本とほぼ同時期に映画も作成されており、学校教育や福祉施設で積極的に活用された。

付録にあるふれあいエチケットブックでは、健常者&障害者両者の視点から、お互いに対するマナーや気遣いを説明している。

また同本の特色として、ハンディキャップを口実に漫然と生きることを”甘え”と否定しており、障害者に積極的な自立を促す内容となっている。

 

◆オススメ度:★★★★★★☆

上記評価にもある通り、福祉教育の観点から非常に価値のある作品である。

ただし、通常販売されていない作品のため、個人で入手するのは難しいかもしれない。図書館や公民館、学校施設などで探すと良いだろう。