漫画列伝9 まほろまてぃっく

今回は、中山文十郎原作、ぢたま(某)作画のまほろまてぃっくを紹介。

 

◆あらすじ

地球に訪れた友好的な高文明異星人『セイント』と、人類の歴史を操ってきた組織『管理者』が秘密裏に敵対し、戦争を繰り広げている世界。そして、平和のため、両者の関係を取り持とうとする組織『ヴェスパー』。

ヴェスパーに所属する最強の戦闘用アンドロイド・まほろは、残り稼働日数が398日に達した事を知らされる。

引退という暇を許可されたまほろの望みは、かつて自らが命を奪った上司の遺児・美里優の下に住み、メイドとして面倒をみることだった。父の死の真相を知らない優は、突然明かされた異星人や戦闘用アンドロイドの存在に戸惑うものの、人間と全く変わらない彼女の心に触れ、共同生活を始める。

優のクラスメイト、先生、まほろと同じアンドロイド達との交友をすすめ、平和な暮らしが続いていくかに見えた。

そんな中、セイントと管理者、そしてヴェスパーの三者は最終決戦の時を迎えつつあった。非人道的な戦いによってセイントとヴェスパーを殲滅せんとする管理者の牙は、まほろと優たちへと向かう。稼働停止までのタイムリミットが迫る中、彼女は優たちを守るため最期の決断を迫られることになり・・・

 

◆特徴タグ

メイドさん

・SFバトル

・泣ける

・ややセカイ系

 

 ◆感想と評価

変態描写を書かせると右に出るもののいない、ぢたま(某)による作品である。

発表開始が世紀末ということもあり、単純なお涙頂戴の萌え漫画とは異なる意趣を持っている。

通常の萌え漫画では、いわゆる”データベース消費”の思想のもと、役割の数と同じだけ登場人物を提供することが多い。しかし本作では、優から見たまほろは、兵器、メイド、恋人、母性といった複数の役割を担っている。私の知る限り、一人の登場人物に割り当てられた役割数としては、史上最大である。

それゆえ、彼女を失った時の衝撃は凄まじく、物語終盤で主人公は案の定”壊れる”ことになる。

 

◆オススメ度:★★★★★☆☆

王道的なストーリーで深みはあまりないものの、ラストの強引さが逆に本作を良作たらしめている。アニメもそれほど悪くない。

まほろまてぃっく (1) (Gum comics)

まほろまてぃっく (1) (Gum comics)